すみっこナースのひとりごと

職業:看護師 2018年に呼吸療法認定士に合格。その時の経験や日々のことをまとめてみる。

呼吸器感染症(肺炎)についてまとめてみる

 

COVIT-19(コロナウイルス)が肺炎を起こすということなので、

呼吸器感染症ってどう言う状態なのかって事をまとめてみます。

 

呼吸器感染症は上気道炎とか咽頭炎、気管支炎、肺炎と分けられてますが、厳格に区別するのは難しいです。

そこで最も重要なのは、死因としても上位に位置する肺炎です。

 

まずは症状と検査、身体所見を手書きですがまとめています。

 

 

症状と身体所見と検査

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診断

肺炎を疑う所見あり:発熱、喀痰、せき、胸痛、呼吸困難、胸部画像に浸潤影

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肺炎と診断

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重症度分類

・男性:70歳以上 女性:75歳以上

・BUN:21ml/dl以上または脱水

・Spo2:90%以下またはPaO2:60mmHg以下

意識障害

・血圧(収縮期)90mmHg以下←これがあったら超重症!!

 

上記の状態が当てはまるのが

0個→軽症:外来治療でOK

1〜2個→中等症:外来か入院

3個→重症:入院

4〜全部→超重症:ICU治療

 

 

原因菌の検査

・喀痰グラム染色

・尿中抗原検査(レジオネラ、肺炎球菌)

・血清特異的Igm抗体キット(マイコプラズマ

・培養検査

・血清抗体価測定

・RT-PCR法、LAMP法などの遺伝子検査(結核SARS、COVIT-19)

 

 

肺炎の治療

原則感受性試験を行って、有効な抗微生物薬を使います。

でも培養には時間がかかるので、確定診断前から推定される原因菌に対して治療をしていきます。

これをエンピリック治療と言います。

市中肺炎では、肺炎球菌が多いのでペニシリン

否定型肺炎は、マクロライド、テトラサイクリン系を使います。

 

呼吸管理は、合併症のない肺炎は1型呼吸不全が主体です。

COPD結核後遺症は2型呼吸不全が悪化する可能性あります。

重症な時はNPPVや挿管される事がありますが、喀痰が多くて排出困難例はNPPVは適応になりません。

挿管下人工呼吸管理も人工呼吸器関連肺炎のリスクがあること忘れずに。

 

 

 

肺炎の種類

①市中肺炎(community-acquired pneumonia:CAP)

   これは日常生活で細菌に感染する肺炎のこと。

 原因菌は肺炎球菌、インフルエンザ、黄色ブドウ球菌マイコプラズマ

 

②院内肺炎(hospital-acquired pneumonia:HAP)

 入院後48時間以上経過してから発症した肺炎のこと。

 肺炎桿菌、インフルエンザ、緑膿菌、メシチリン耐性黄色ブドウ球菌MRSA)の細菌や、

 カンジダ、アスペルギルス、クリプトコッカスなどの真菌、

 ウイルスが原因となります。

 

③医療・介護関連肺炎(nursing and health care-associated pneumonia:NHCAP)

   ・長期療養または介護施設に入所している

 ・退院してから90日以内

 ・高齢者または障害者

 ・通院で血管内治療を受けている(透析、抗菌薬、化学療法、免疫抑制とか)

 このいずれかに該当している場合、CAPの原因菌が考えられるので、治療には注意が必要だね。

 

日和見感染(opportunistic infection)

 免疫力が極端に低下して、普通の人は感染しないような弱い微生物に感染すること。

 免疫不全や免疫抑制薬の治療中、がん治療中の患者さんが危ないです。

 

 

 肺炎の分類

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肺炎に関して簡単にまとめてみました。

呼吸療法認定士の試験で出やすいところは赤字にしていますので参考にしてみてください。